レンズな話 その4 ~SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD~
レンズな話第4弾は『SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD』です。
www.tamron.jp
いわゆる「タムキュー」と言われる名作レンズであり、写真撮ってる人に「オススメのマクロレンズはなんですか?」と聞けば10人に8人位はこのレンズの名前を上げてくると思います。あとの2人はZeissのマクロレンズとかじゃないかな
なおこの記事はマクロレンズの写真という都合上虫の写真が幾つか登場するので苦手な方はブラウザバックをオススメします。
たぶんヤマトシジミと思われる蝶です。最短距離が30cmと短いのと90mmという焦点距離のお陰で小柄なシジミチョウでもこのサイズで撮影できます。レンズ自体が12cm近くありフランジバック*1を考えるとレンズ先端から15cmくらいまで寄れると思われます。
この2枚の写真はほぼ最短撮影距離で撮影しているため絞り開放で撮ると非常にピント面が薄く*2、F8まで絞ったとしても3.73mmしか被写界深度がありません。なので本来であれば三脚で固定して撮るのが正しいのでしょうが、三脚NGな場所や蝶のようにヒラヒラとすぐ移動する被写体相手の際には手持ち撮影せざるを得ません。こういう時に便利なのがTAMRONの十八番である強力な手ぶれ補正です。公称3.5段の手ぶれ補正は新型になったことでシフトぶれまで対応するようになり撮影の幅が大きく広がっています。
開放撮影でのボケはこんな感じになります。流石TAMRON、やわからなボケ味です。その一方でピントを合わせたカモメはその羽毛の細かい毛や海から上がってきた時の僅かな水滴まで繊細に描き出しています。
マクロレンズだからといって近接撮影だけが取り柄ではありません。中望遠レンズとして風景写真にもこの通り見事な描写をしてくれます。1枚目では夫婦岩にかかる注連縄の藁しべ、3枚目では御在所岳に架かるロープウェイのケーブルまでしっかりと見ることが出来ます。
またこのレンズは別名ポートレートマクロレンズとも呼ばれることがあり90mmというポートレート撮るには距離感の丁度よい焦点距離、開放F2.8というF値から得られる柔らかなボケは確かに人物を撮るのに適していると思います。私はポートレート撮るような相手やモデルの知り合いがいないので主に動物相手にレンズ向けていますが。
開放から2段までは絞っても円形絞りになるため被写界深度稼いだり切れ味を増すために絞ってもボケが汚くならないのは本当にありがたい限りです。
一眼レフカメラ、ミラーレスカメラを初めてボケの楽しさに気付き、キットレンズの先に興味が出てきたそこのアナタm9('ュ')入門機だとより望遠寄りになってしまうけど物撮りにも向いているこのタムキューを買ってみてはいかがでしょうか?まだ一世代前のモデルも家電量販店で扱ってたりするのでお安くマクロ撮影が楽しめますよ!