レンズな話 その3 ~EF50mm F1.2L USM~
3本目はCanonのレンズラインナップの中でもワンランク上と位置づけられるLレンズの標準レンズ『EF50mm F1.2L USM』です。
かつてCanonはその大口径マウントを最大限に活かした『EF50mm F1.0L USM』なるモンスターレンズ*1を作っていましたが既に生産終了となっています。
故にこの『EF50mm F1.2L USM』は現在市販されている明るいレンズ*2の中で最も明るいレンズなのではないでしょうか。Nokton 25mm F0.95?SPEEDMASTER 50mm F0.95?知らない子ですね……
レンズスペックは以下の通りです。
F1.2の大口径レンズながら小三元レンズ*3よりも軽いのは取り回しが良くてありがたいです。
では恒例(?)の作例めいたものを上げていきます。
Canon EOS 5D Mark IV 50mm f/1.2 1/1000 ISO100
初手から開放の描写です。ピントを合わせた左の瞳の前後すぐからボケ始めています。被写体との距離は1m程度だったはずなので被写界深度は前方1.42cm後方1.46cmしかなく鼻先は既に被写界深度外になります。また周囲の丸ボケには僅かにフリンジが見られていますが流石純正レンズだけあってボディ内補正が効くため現像時の修正はほとんど必要ないかと思われます。
Canon EOS 5D Mark IV 50mm f/3.2 1/400 ISO100
この写真はLightroomでKodak GoldのCool調フィルムをシミュレートしたものであるためレンズ単体の描写とは言い難いですがフィルム調現像にもフィットする描写だと思っていただければよいかと思います。
Canon EOS 5D Mark IV 50mm f/4.5 1/500 ISO100
F4以上に絞るとスッキリと解像するのがこのレンズの特徴かと思います。色乗りも鮮やかで流石CanonのLレンズといったところでしょうか。2007年発売の10年選手となる今となっては設計の古いと言われてしまうこのレンズですが、3000万画素超えのEOS 5D MarkⅣで使っても十分細かいところまで解像してくれています。
Canon EOS 5D Mark IV 50mm f/8 2s ISO100
このレンズも手ぶれ補正は付いていません。*4よって1/50秒よりも遅いシャッタースピードの際には三脚を使ったほうが良いと思われます。SONYαシリーズユーザーならボディ内補正があるから実際安心ですね!
Canon EOS 5D Mark IV 50mm f/1.2 1/100 ISO100
開放F1.2は少し(5~10mほど)距離を離して撮ることでピント面1点*5を周囲から切り離して描写する力がF1.4レンズよりも更に強くなっています。
大口径レンズの宿命である周辺光量落ちもありますがレンズの味として許容できる範囲ではないでしょうか。
巷では「絞った時のフォーカスシフトが……」*6「開放での描写の甘さが……」*7とややクセ玉扱いされるこのレンズですが、唯一無二の開放F1.2のファインダーの明るさ・蕩けるボケを実感してしまうとそういった細かいことはどうでも良くなりますね。
CanonユーザーおよびSONYユーザー*8の皆様に導入を検討してもらいたいレンズとなるので購入してみてはいかがでしょうか。